さとうの美味しいごはん

感想・考察など

ミュージカル 北斗の拳

「ミュージカル北斗の拳」東京初日を観てきました。

初演の口コミ評判に気になってはいたものの「いや私、北斗の拳とかいう汗臭くって、熱血必殺技バトルものとか絶対好きにならないジャンルだし……」と見送っていたのですが、先日鈴木勝吾さん主演の「ひりひりとひとり」で演出家の石丸さち子さんを知り、その繋がりでひょんなところから再演が決まったチケットを確保しました。

 観劇自体が約2ヶ月ぶりで、久しぶりに前の日からワクワクしながら劇場へ向かいました。

感想

凄かったです。期待通り、いや期待以上の楽しさでした。
例えば仮に、北斗の拳の原作はどでかい骨付き肉をオーストラリアの野外BBQで豪快に焼いた塊だとしましょう。しかし、歌の上手い女性陣とダンスとアクロバットの上手い男性陣で演じて、石丸さち子が味付けして、作曲ワイルドホーンの皿にのせるとなんだかお洒落でカジュアルな高級フレンチになる。そんな感想をどこかで目にしましたが、言い得て妙だと思いました。
 同じジャンル(?)だと、先日宝塚雪組のシティ・ハンターを観ていたので、そんな感じのドタバタラブ「コメディ」になるのかなと思っていたのですが、全然違いましたね。いやこれはレ・ミゼラブル側です。原作を知らなくても楽しめる脚本で、でも知っている台詞(あべし!!)は大真面目に入ってる。とても北斗の拳とは思えない世界観で、でも北斗の拳を見せてくる凄い作品でした。

 特に素晴らしかったのは、主演の大貫さんのダンス。殺陣からも身体能力の高さはわかるのですが、殺陣以外のコンテンポラリーなダンスや大仰な構えの所作が素晴らしく美しかったです。1幕ラストのソロのコンテンポラリーは初めて見る私でも、凄いと感想しました。また、南斗の城で斃れていった者たちの魂とシンクロして踊るシーン(伝わりますかね)のダンスがとても美しかったです。漠然と、アクロバティックバレエダンサーだ!と思いました。